17,10,21 びわ100(ソロ)(その2)
正直、ツーデーマーチの40kmでウオーカーさん方と激戦を繰り広げ(ウオーキング大会は戦いではありません)、6時間を切ったので(ウオーキング大会はタイムを競うものではありません)、100kmウオークをなめていた。
「距離にして40kmの2.5倍。40kmのペースで歩けば、15時間。それを21時間で歩けばいいから、6時間も余裕があるやん(笑)」
ぐらいの考えでしかなかった。
スタート地点が長浜で、時計回りに琵琶湖を半周して雄琴温泉がゴール。長浜のスタート地点に豊公園の大きな有料駐車場(1日最大1,000円)があるので、スタート地点に車を置いて、ゴールしたら電車に1時間30分乗って長浜に戻り車を回収できるのだが、今回は嫁さんの全面協力を得ることができた。
長浜まで嫁さんと2人で車で移動。僕は「びわ100」に参加。僕がスタートしたら、嫁さんは車で雄琴温泉に行き1泊(もちろん僕が予約)。ゴール地点で合流。その後さっと風呂に入って、助手席で爆睡。福井まで嫁さんの運転で僕を連れて帰ってもらうと言う完璧な作戦。
僕のアホな挑戦に2日間も付き合ってくれるので、温泉での全身エステも快諾。少々経費がお高くなってしまったが、嫁さんも喜んでくれるので良しとしよう。
台風21号の影響で、本大会が開催されるかどうかは当日の午前6時に実行委員会より発表されるが、それを待たずに朝5時過ぎに自宅を出発。ゆっくり運転で長浜の豊公園を目指す。
午前6時に「今回の第4回びわ100は、予定通り開催いたします!」とFBで通知。
受付をし、53km地点まで運んでもらう荷物を預ける。
ゼッケンを安全ピンで前につけろとの事だが、お気に入りのレインに穴を空ける訳にはいかないので、サコッシュに付ける事にする。レインとかアウターに穴をあけたくないので、今後何かの大会に出場する時は、ゼッケンの取り付け位置を事前に考えておく必要がある。
8:21 今まで降り続いていた雨が止んだ。
1週間前に風邪をこじらせてしまったが、3日前まで強い薬を飲み、一昨日と昨日は0歳でも飲める漢方薬を飲んだのでだいぶ良くなった。
直前にいつもの助六と味付きゆで卵を食べたが、今日は更にチャージ。
カッパとレインとウインドブレーカーと装備は様々。
カッパの上下にシューズカバー(?)。ウオーカーさん達には人気の装備らしい。
やっぱカッパ(ポンチョ)が1番多いかな・・・。ツーデーマーチと同じでちょっと安心。
ふと見ると、開会式が始まっていた。ツーデーマーチのイメージが強いので、チープに見えるが、今回はチャリティーの大会なので、経費はなるべく使いたくないっぽい。
(嫁さん撮影)
準備運動はラジオ体操!
8:57 スタート3分前。なかなかの好位置をキープ。
9:00 スタート!
(嫁さん撮影)
一気に100kmも歩いた事がないので、楽しくて仕方がない。
最初は団子状態。こんな感じはツーデーマーチで慣れている。
右手に琵琶湖を眺めながら南下。
徐々にばらけてくる。
周りを見渡すと、若い方が多い。10代とか20代とかに見える。ツーデーマーチは先輩方ばかりなのだが・・・。
米原方面へ。
気温は16度。レインを着ていても暑くない。
靴底のあるタイプのシューズカバー。しかも黒色で少々オサレ。山ではありえない装備だ。
ツーデーマーチではほとんど見ないウオーキングポールだが、スピードのある100kmウォーカーさんは、ウオーキングポールの方が目立つ。
どんよりとした雲。この後、台風21号の影響で雨が降ってくるのは確実。
レジ袋で作ったお手製のシューズカバー。ほとんどの100kmウオーカーさんが非防水のランニングシューズ。
この方が持っているのはノルディックウオーク専用ポールだと思う。
トレランシューズだとタイルの道は滑る。
サポーターの方はオレンジ色のアウターを着ている。迷いやすい箇所で誘導してくれる。
長丁場なので、こまめにチャージ。
当たり前だが、赤信号は止まる。
11:02 彦根城。
彦根城の堀に釣り人の姿がたくさん。
2か月前、家族で鉄板焼きを食べたホテル。観光客の間をすり抜けるように歩く。
嫁さんから宿泊先に到着したとLINE。ホッとする。
雨は降り続いているが、台風の風は吹いていないので問題ない。
ニット帽をかぶった男性。ちょうど僕とスピードが同じ。口数は多くない方だが、たまに声をかけてくれる。
しばらくクールなニット帽さんについていくことにする。
彦根城の前では催し物が行われておるようだ。
ひこにゃん?カッパをかぶったひこにゃんなのかい?
一定のスピードのクールニットさんに引っ張ってもらうと楽に歩ける。
雨が強くなってきた。クールニットさん!ニット帽重くないですか?
チャージ。
今日の為にポチった「サロモン XT ウィング グローブ ウォータープルーフ」。
手の甲に収納されたカバーはレイン用。温かくなかなか良い。山でも十分使える。
この看板もびわ100の目印。
手袋を撮ったり、看板を撮ってたら、クールニットさんが遠くに!今までありがとうございましたーさよーならー!
お腹が空いてきた。再びチャージ。
13:36 セブン-イレブン彦根新海町店
おにぎり3つ購入。
立て続けににチャージ。雨に濡れたおにぎりは新食感。
急にスローダウンしたクールニットさんをかわし、1人旅に。
応援されてるよ・・・。頑張ろう。
14:21 第1CP(チェックポイント)32km地点。
まだ到着したウオーカーさんが少ないのか、サポーターの方全員に温かく迎えられる。ちょっと恥ずかしい。
ゼッケンのQRコードを読み取ってもらう。
バームクーヘンが美味しい「たねや」の和菓子とバナナを頂く。
バナナを食べようとすると(笑)。ちょっと嬉しい。
第1CPでほっこりしたので、元気に再スタート。
15:18 ローソン 近江八幡島店。
飲み物と行動食を補充。
雨だと、気温の変化があまりないのがいい。
16:17 第1エイド。42km地点。
塩おにぎり2個と豚汁を頂く。熱々の豚汁は身に染みる。
歩き始めて7時間以上。暗くなってくると同時に眠気が・・・。
フリクス。基本に戻るのが1番。今回はフリクスが大活躍。今後の行動食に常備しよう。
17:13 野洲市。ヒザの裏と太ももの裏に違和感を覚え始める。ウオーキングは山歩きと違う筋肉を使うので、普段気にならない部分が痛くなってくる。
17:28 嫁さんから「今から宿泊先で食事」とLINE。僕は雨に打たれながらローソン 野洲菖蒲店で「Lチキ旨塩チキン」。
18:41 第2CP。53km地点。受付開始より19分早く到着。
受付の整理券を頂く。16番だと・・・!
前の方を歩いている気はしていたが、全く順位のことは考えずに歩いていたので、驚いた。
予定ではスタート地点で預けた荷物を受け取り、ここで着替えるのだが誰も着替える人はいない。っていうか、荷物を受け取る人がいない。預けた荷物に後半の行動食が入っているので、荷物を受け取りに行くが、僕が預けた荷物を探すだけで5分はかかった。10人受け取りに行くと、荷物を探すのに50分かかるってことか。その事を100kmウオーカーさん方は知っているのかもしれない。行動食を抜き取り、再び荷物を預ける。
歩くのをやめると、ヒザの裏の痛みと太ももの裏の痛みがひどくなってくる。
まだ受付まで時間がある。BCAAを補給。トイレで太ももの裏とヒザにゼノールをたっぷりと塗る。
テントに戻り周りを見渡すと、短パンにアシックスのランニングシューズの方が多い。それか、レインにランニングシューズ。防水のトレランシューズにゲイターを装着しているのは僕だけだ。ザックも8リットルほどのトレランザック。25リットルの僕のザックが大きく見える。先頭集団の100kmウオーカーの方々の装備をまじまじと観察させて頂く。僕は完全に100kmウオークの装備を間違えたようだ。
それにみんな背が高い。そして細い(汗)。トレランの大会のポスターに出てくるような方達ばかりだ。
この大会を引っ張っている100kmウオーカーは完全にアスリート。
19:02 第2CPの受付を済まし出発する時に、娘ほどの年の女の子に「〇〇〇(下の名前)さん!お守りです!最後まで頑張ってください!」って言われて、この紙をもらう。ポケットに押し込むが、すぐに雨でボロボロになるが捨てるに捨てれない。
歩き出すとしばらくして両ヒザと腰が痛くなってくる。最近「腰痛体操」をサボっているので、腰も痛くなってきたのか。あと40km以上あるのにちょっとヤヴァイ気がする。
20:19 第2エイド。60km地点。
野菜スープを頂く。温かくてめちゃめちゃ美味い。
腰と太ももとヒザの痛みに加え、長時間の歩行で足がむくみ、さらに雨でふやけたせいか、靴がきつくなっている。そのせいで足裏と足先にも痛みがでてきた。60km地点でこれだけ体がボロボロになるとは想像もしてなかった。この状態であと40km
も歩けるか自信がない。もうやめようか。このスープを飲み終えるとまた歩かないといけないと思うと、なかなか飲み干すことができない。
再び歩き出すが、痛みで顔が歪んでくる。レンタカーの看板の明りで、ファストエイドに常備しているが今まで歩いている時に使用したことのない「ロキソニン」と「胃薬」を飲む。しばらくすると、ヒザと太ももの裏の痛みはマシになる。
固形物の行動食が喉を通らない。こういう時に役立つ赤袋。ロキソニンでも腰と足の裏の痛みは消えない。
21:14 「このまま歩き続けてヒザが完全に故障して登山人生を奪われるかもしれない。」っていう正当な理由でリタイヤなら納得できるかな?リタイヤする理由を考えながら歩く。
22:50 第3CP。70km地点。熱烈な歓迎を受け、パンとお菓子を頂く。CPの明りとオレンジ色のアウターを着たサポーターの姿を見ると、涙が出るぐらい嬉しい。
無料のマッサージコーナー。草津のジムのトレーナーの方々が無料で開いてくれている。誰もマッサージを受けている人がいなかったが、勇気を出して「腰と太ももの裏が痛いのですが・・・」とマッサージをお願いしてみる。
30分ほど入念にマッサージをしてもらうと、嘘のように足と腰が軽くなった。マッサージを終えるころにはマッサージコーナーは大盛況となっていた。最後に信号待ちの時にするといいストレッチのレクチャーを受ける。ありがとうございました!
新しい靴下に履き替えるために靴下を脱ぐと、足の裏はふやけて真っ白。しかも全体的に腫れている。小指と小指の付け根に大きな肉刺ができている。肉刺対策セットを持ってきたが、潰す勇気がない。濡れてしわしわになっている「3Dフットテープ」を剥がし、新しい靴下を履く。
マッサージの効果が絶大で足が軽い。この状態のまま30km歩ける事を祈りながら歩くが、30分ほどで腰の痛みが復活。程なくマッサージを受ける前の状態に戻ってしまう。対岸に大津の灯り。琵琶湖に沿って南下し続ける。
びわ100の標識すべてに点滅するLEDライトが取り付けてあるので、迷うことはない。
迷ってリタイヤっていうのは、ハイカーとして恥ずかしい気がする。
1:20 瀬田川洗堰。瀬田川を横断し、ついに湖西へ。雄琴温泉を目指し北上する。この頃には完全にスピードを失い、ヨロヨロ歩き。
ああ・・やっと第4CP。オレンジ色のアウターを着たサポーターの方々がたくさんいるよ・・・。
2:08 第4CP。83km地点。熱々のシジミ汁を頂く。
あと、17kmもある。ここでリタイヤを宣言したら、ゴール地点まで車で運んでくれる。車で運んでもらいながら嫁さんに電話して、宿泊先の部屋に入れてもらいシャワーを浴びて着替えて睡眠。預けた荷物は朝になってから取りに行けばいい。
ストーブの前でシジミ汁を飲みながらリタイヤの妄想。幸せな時間を過ごした。
現実に戻り、雨の中痛みに耐えながら足を前に出し続ける。トレッキングポールを持ってきたらよかった・・・。足腰の負担は軽減されるし、推進力を得ることができる。
3時を過ぎた頃に、突然ヒザと太ももの裏の痛みが激痛に。ロキソニンの効果がなくなったみたいだ。ロキソニンと胃薬を追加投入。
しばらくすると、激痛が痛みに変わる。ロキソニンが効く体に生まれてホントに良かった。
3:46 第3エイド。90km地点。温かいお茶とお菓子を貰う。お茶を持っている手が震えてる。ここまで来たら、リタイアはあり得ない。這ってでもゴールする。
嫁さんに「あと10km。7時ぐらいに到着」とLINE。すぐに返信がある。枕元にスマホを置いて寝ていたみたいだ。ちょっと元気が出る。感謝。
薬のせいか、食欲が全くない。行動食のパンを無理やり口に押し込むがなかなか飲み込めない。エネルギージェルしか受けつけない。
5:32 あと4km。もう完全にヨチヨチ歩き。台風の風が出てきたら、飛ばされてしまいそう。飛ばされるならゴール地点に、スタート地点の長浜に飛ばすのはやめてほしい。1時間30分で4kmも歩けるか不安になってくる。
5:56 嫁さんから「もう待ってるよ」とLINE。マジか。。。7時って送ったよな。。。
雨の中、長時間待たすのはかわいそうなので、ヨロヨロ歩きにギアチェンジ!
車いすの参加者にぶち抜かれる。この方がパラリンピック級の選手なのか、僕がヨロヨロ過ぎるのか・・・。追っかける力は全く残っていない。
雄琴温泉の中心部が見えてきた。
(嫁さん撮影)
6:35 嫁さんの笑顔を見ながらゴール。
長かった。100kmはめちゃめちゃ長かった。もう歩きたくない。100kmウオークには一生参加しない。
ゼッケンのQRコードを読み取ってもらい、ゴールの受付終了。預けた荷物を取りに行き、係の人が15分程さがしてやっと見つけてくれる。完歩証を受け取り、嫁さんの宿泊先へ。フロントの方に「びわ100歩いてきたんです。お風呂入っていいですか?」ってあつかましく聞くと、「1人ならいいですよ。」との温かいお言葉。お風呂に入り、チェックアウトが10時なので嫁さんが泊まった部屋で2時間ほど仮眠をとる。チェックアウトの時は、感謝の気持ちを込めてお土産を1万円分ほど購入する。
10時ごろ宿泊先を出ると、雨風がひどくなっている。台風が近づいてきたようだ。まだまだゴールを目指して歩いているウオーカーさん方はたくさんいるのに大丈夫だろうか?
嫁さんが運転する車の助手席で爆睡する予定だったが、嫁さんの初ひとり温泉の話と、100kmはいかに厳しいか、もう2度とウオーキング大会には参加しないという話で盛り上がり、結局自宅まで一睡もしなかった。
アホな挑戦に付き合ってくれて、嫁さんにはホントに感謝。
21時間36分4秒で668人中18位という成績に終わった。思いもよらない好順位でのゴールだったが、実力ではなく、禁断のロキソニンを2回も飲み、気合と根性だけで勝ちとったような順位だ。内容は反省点や修正点だらけ。
100kmウオークのことを全く知らずに、単独で参加したので当然と言えば当然だが、装備・持ち物・歩き方・ペース配分すべてがダメダメだった。六甲全縦やツーデーマーチ40kmのように目標を達成して卒業したいところだが、100kmウオークは初回の今回をもって卒業する。
参加して確実に良かったと言えることは「100kmぐらいやったら1日あれば歩けるよ。」って言えるようになったことかな(笑)。
今回も無事帰宅できました。感謝。
追記。
100kmウオークには2度と参加しないと思っていたが、歩き終わって5日たってみると、やはり中途半端な気がしてきた。
今回学んだことを修正して、再度チャレンジしたい気もするので、その気になった時の為に。
①靴 足の実寸より+0.5cmのサイズのトレランシューズ履いていたが、長時間の歩行によるむくみと、ふやけでかなりきつくなってしまった。+1cmの軽量のジョギングシューズがいいかもしれない。(アシックスが多かった)
②ウォーキングポール 足腰の負担軽減と、推進力を得るためにウォーキングポールを使用した方がいいかもしれない。21時間以上ウォーキングポールを使用できるように上半身の強化も必要。ノルディックウォーキングを勉強する。
③荷物の軽減 着替えは靴下のみ。行動食は現地調達出来ないもののみ。スマホのバッテリー・肉刺対策セットはいらない。サコッシュは便利。荷物は極力預けない。預けるとしたら、探しやすい目立つ色(赤・黄・オレンジ)の入れ物で。コンビニでEdyとIDは役に立った。
④序盤 いい位置でスタートし、バラけるまで追い越しをかけない。追われるより追うポジションが楽。
⑤CP・エイド 適度に休憩し、補給も積極的に行う。また、マッサージも積極的にしてもらう。
⑥調整 お山歩きと使う筋肉が違うので、事前の調整はウオーキングで行う。